保護者の代行、正確には身元保証人をやることになった。
リン・スウェルには頼りになる家族がいないという。
このご時世だと両親が健在の僕が言っても説得力に欠けるが、この時代だから彼女の手からすり抜けたものは多いのではないか。
ダーカーの活動が活発にならなければ、彼女の両親は失われずに済んだ。アークスの活動が激しさを増さなければリン・スウェルは善人の皮を被った悪党に連れ出されるようなこもとなかった。
怒りを覚えない、と言ったら大きな嘘だ。僕は強い怒りを覚えている。が、ここで怒りのまま行動しても結果には繋がらない。
ここで僕が取れる行動はいつもと変わらない。ひとつはアークスとして行動すること、もうひとつはパイドパイパーの一員として行動することだ。
いつもと変わらないのがもどかしい。もどかしいが、建設的な手立てが思いつかない以上は、行動に移すべきではない。